出生季節メモ

日本の出生季節について、ちょっとだけ調べてみました。

出生性比と季節

男児または女児の生まれやすい季節はあるのでしょうか。「人口動態統計」を用いて、出生性比について調べてみました。出生性比とは男児対女児の比で、男児105人、女児100人が生まれたら、1.05や105と表します。1945、1961年のデータはなく、沖縄のみ1944から56年のデータもありません。

1. 出生性比の年代変動
日本の出生性比です。

丙午の1906年、1966年前後を除いて見てみると、1970年頃に向けて性比が1.07まで上昇し、その後下降していることがわかります。1980年以後は1.05台で安定しています。

2. 月別出生性比
月別出生性比を14年ごとにまとめてみました。

戦前は11月に大きな山、3月に大きな谷があります。戦前より戦後のほうが高低差は小さくなっています。季節にかかわらず、1970-83年は1984-97年より高くなっています。

次に都道府県別の出生性比です。(集計中にデータが疑わしいと判断した箇所は、都道府県名の横に明記してあります。本当は合っているのかもしれません)

込み入っているので拡大してみました。

戦前の11月の山、3月の谷は、南に行くほど大きくなることがあります。全国で見られたように、戦前より戦後に高低差が小さくなっている地域がいくつもあります。季節にかかわらず1984-97年より1970-83年のほうが高いのは千葉で、北海道、栃木、東京、大阪、福岡でも同じような傾向が見られます。(ただし、出生届には季節的な人為操作があったと考えられているので、その影響も考慮しなくてはなりません。)

参考文献:三浦悌二著「生まれ月学 胎児期環境の影響」(東京都立大学出版会、2002)
      海外のデータを含め様々な考察がなされています。

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